Myanmar-Japan Plastic & Reconstructive Surgery Mission (MLPLAS)
ミャンマー・日本形成再建外科育成プロジェクト
ミャンマーは東南アジアに位置する親日国ですが、現在は最貧国の一つとされています。医療に関しては、医療スタッフ・医療機器の不足が問題となっております。特に形成外科医はミャンマー全土でわずか5人しかおりません(日本は約2000人)。外傷や先天異常による身体の変形は生命に直結することが少ないため、放置されやすいのです。現在も多くの患者が手術を受けられず苦しんでおります。
この問題に対し、岡山大学病院形成外科を中心とし 2009年にミャンマー・日本形成再建外科育成プロジェクトを立ち上げました。NPO法人「日本ミャンマー医療人育成支援協会」のプロジェクトの一環として、以下の活動を行っております。
1. 岡山大学の形成外科医をミャンマーへ派遣し、手術を行う。
2010年から 計8回医師を派遣いたしました。岡山大学病院の形成外科医を中心に 外科医、内科医、歯科医、麻酔科医、整形外科医などが参加しております。
Yangon general hospital, Nay Pyi Taw general hospital(Naypyidaw), Hpa-An hospital, Mandalay general hospitalを拠点に、現在までに300例を超える手術を行っております。
2. 岡山大学の形成外科医をミャンマーへ派遣し、現地のスタッフを養成する。
現地での教育システムの構築も重要な課題です。単に手術を行うだけでは継続的な国際支援とは言えません。そのため、現地の医療スタッフに対する教育も行っております。
3. ミャンマーの形成外科医が岡山大学へ留学し、技術を修得する。
2011年12月からミャンマーの形成外科医が2名 岡山大学病院に留学し、マイクロサージャリー(顕微鏡下手術)を用いた再建手術を中心に3ヶ月間の研修を受けられました。ミャンマーの形成外科における次世代のリーダーとなるべく研鑽を積んでおります。
4. ミャンマーに形成再建外科アカデミーを設立し、現地での教育システムを構築する。
ミャンマーでは形成外科専門医が5人しかおらず、彼らはイギリスやオーストラリアなど他国で技術を習得してきています。病院の設備も不十分ですが、人材不足はより深刻であり、ミャンマーにおいて専門医を養成する仕組み作りが不可欠です。
※ 本プロジェクトは岡山大学学長裁量経費(2011年度)の資金援助を頂いております。
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ミャンマーミッションには,使い慣れた器具,必要な針糸などをスーツケースに詰め込んで向かいます.ネピドー総合病院,ヤンゴン総合病院をはじめとした施設を訪れ,数日間で30〜50例を超える手術を行います.ほとんどの患者さんミャンマー語しか話せません.こちらはカタコトのミャンマー語と英語(現地スタッフを介して)でコミュニケーションをとります.
術後の状態を自分たちで定期的に診ることができないため,現地スタッフへの教育を行うことも重要な任務です.ミッションに参加した医師は,形成外科医や看護師をはじめとする現地スタッフや学生を対象に,30分ほどのレクチャーを行います.
ミッションは既に8回催行され,医師のみでなく,看護師や学生も参加しています.学生として参加した数年後に,麻酔科医として再び参加した方もおられました.