特色ある教育
当教室における教育の理念は “Strike while the iron is hot.” に集約されます.
世界最先端の知識習得と技術獲得を各自の目標とします.国際学会においても臆することなく意見が述べられるレベルにまで引き上げる事を構想として,現にここ数年,国際学会で数多くの発表を重ねてきています.このような事が常識と考えられるよう教育します.
最低限の知識を得るための教科書は推奨しますが,教科書の内容は入手した時点で既に過去のものとなっています.常に最新の論文を検討し,その内容すら100%鵜呑みにせず,自分なりの考察をそこに加える.これを繰り返す事で理論武装が可能となるのです.
臨床面では術前カンファレンスは言うに及ばず,術後のカンファレンスにも重点を置き,反省・改良の機会とします.また定期的にMortality & Morbidity(合併症-死亡症例)カンファレンスを行い, より深い理解を得ています.
当教室ではマイクロサージャリーの技術と知識習得を目的として,MRC (Microsurgery Training Center) を開設しました.そして技術習得のための岡山大学式プログラム「MTP (Microvascular Training Program)」を開発・発展させてきました.研修終了者には報告書の提出を義務づけており,その内容を検討し,毎年プログラム自体の改良を行っています.
MRCは医局員のみならず他科あるいは他大学の医師に開放しております.
一年に一度開催するプライマリーケアセミナーでは, 形成外科以外の科を志す先生方にも役立つように形成外科的な考え方や手技をわかりやすく講義します.
最近では 医学生を対象としてデッサン教室を開講し, 知識や技術だけではない, 医師として役立つ感性を育成することに注力しています.
デッサン教室
当医局では、医学生を対象としたデッサン教室を開講しています。この教室では、美術講師よりデッサンの基本と人体の描き方を学びます。さらに、名画鑑賞を行ったり、学生自身が医学に関連したアートについてプレゼンテーションを行い相互にディスカッションを行います。
講師から見た医学デッサンとは
正しく、楽しく、素早く相手に伝え、理解し、納得していただく伝達手段の強化です。
医師と医師間のコミュニケーション、医師と患者間のコミュニケーション、手術所見の報告書、国際的なコミュニケーション能力をデッサン力で養う。
また名画鑑賞と医学生主体のアクティブラーニングでは、作品が意味するもの、心理的側面は何か、などを討論することは「観察眼の養成」、「知識の共有と相互理解」、「コミュニケーション能力の獲得」そして医師と患者の対話力を重視できる思慮深い医師を目指しています。
講師プロフィール
おおつか・ますみ
1947年、岡山市生まれ。大阪芸術大学大学院博士課程前期修了。株式会社大塚デザイン設立。観光パンフレットのデザイン、地域特産開発パッケージのプロデュース、自治体のWebサイト作成、デザイン専門学校の講師を務めた。岡山大学病院形成再建外科の医師全員に1年間デッサンを教え、2017年から同大の医学部生を対象とした「デッサン教室」を担当する。著書に「縁と環」主婦から小さな起業家へ(吉備人出版社)などがある。
プライマリーケア セミナー
毎年当医局が主催しているプライマリーケアセミナーでは, 研修医や学生を対象として, 形成外科に関連する外傷の初期治療・形成外科的な縫合の方法などについて講義を行います. 特に初期研修医の先生方に役立つ内容になるよう, 年齢の近い若い医局員が中心となって企画をしております. また当日は木股教授, 難波教授をはじめとする医局員が多く参加して縫合の指導なども行います. 形成外科的な手技に興味がある方はもちろん, 医局の雰囲気に興味がある方も是非ご参加下さい.