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​当科で行っている研究

岡山大学医歯薬学総合研究科 機能再生・再建外科学講座では,岡山から全国へ,そして世界へ発信するべく,以下のような臨床研究,基礎研究を行っております.

 

ラット胸管から採取したリンパ管内皮細胞の免疫染色写真_edited.jpg

リンパ管に関する基礎研究

リンパ浮腫はリンパ輸送機能障害に起因する浮腫ですが,その詳細な病態は未だに解明されていません。また,リンパ管の基礎研究は血管に比べるとまだまだ遅れています.

当科では培養細胞や実験動物を用いて,リンパ浮腫の病態解明やリンパ管新生・再生についての基礎研究を行っています.

ICGリンパ浮腫.png

リンパ浮腫に関する臨床研究

リンパ浮腫の診断・病期分類に欠かせないICGリンパ管造影検査の、より効率的な検査方法を検討したり、ICGリンパ管造影検査を用いて、悪性腫瘍に伴うリンパ節郭清後に、まだ浮腫を発症していない時期から、リンパの流れがどのように変化しているのかを調べる研究等を行っています。

ストレッチヨガのポーズ

乳房再建に関する臨床研究

乳房再建においては,手術の結果をどのように評価するか,評価法を確立する事が課題となっています.

岡山大学形成外科では,Bodyline ScannerやBreast Roogleを用いた3次元計測,Mamma Balanceを用いた乳輪乳頭位置計測などを行っています.

乳房再建術後の下着の検討(株式会社ワコールとの共同研究),BREAST-Q日本語版の開発等,患者さんのQOL向上に繋がる研究も行っています.

自己集合性ペプチドハイドロゲル.jpg
自己集合性ペプチドハイドロゲルに関する研究

岡山大学と株式会社メニコンが共同開発した,動物由来成分を含まない100%化学合成の自己集合性ペプチドハイドロゲル(PanaceaGel®)を用いた様々な実験を行っています.

 

上図)PanaceaGel®をscaffoldとしたマウス筋芽細胞(C2C12)3次元培養画像

ovary.jpg

性同一性障害に関する基礎研究

 性同一性障害の外科治療の目的は,体表面を本来の性の形態に回復し,患者のQOLを改善することです.そのために陰茎形成術,造膣術,尿道延長術,乳腺摘出術を行ってきました.

一方で,生殖臓器は摘出されるため,生殖能力を失ってしまいます.我々は失われた生殖機能の再獲得を目的に,動物モデルを用いた生殖臓器移植実験に取り組んでいます.

メカニカルストレス.jpg

メカニカルストレスが生体組織に与える影響に関する研究

我々の体を構成している組織は,絶えず様々な機械的刺激(メカニカルストレス)にさらされています.このメカニカルストレスが,皮膚や筋肉などに対してどのような影響を及ぼしているのかについての研究を行っています.

上図)伸展刺激を加えた3次元全層培養皮膚の免疫染色画像
(赤: Collagen Type-IV)

頭頸部PETイメージ縮小.jpg

頭頸部癌広範切除後の形態と機能の再建法に関する研究

 頭頸部領域の癌切除後の欠損に対してはさまざまな組織(皮弁,脂肪,筋肉,神経,骨など)による再建が求められます.特に,機能再建の中心的役割を果たしているのが神経移植です.われわれは「末梢神経の再生」を中心に基礎研究を行っています.

「血管柄付き神経移植の基礎研究」

「神経血管付き筋肉移植の基礎研究」

「顔面神経麻痺に対する,動物モデルを用いた新しい再建術式の開発」

Microvascular Research Center

当科ではMicrovascular Research Centerを岡山大学自然生命科学支援センター動物資源部門内に設立し,マイクロサージャリーの技術習得および基礎研究を行っています.

特に,マイクロサージャリーのトレーニング(Microvascular Training Program: MTP)を学生の医学研究インターンシップに導入しており,成果をあげています.

手術経験のない医学部3年生であっても,1ヶ月半〜2ヶ月で直径1mmの血管を吻合できるようになっています.中には,ラットの指や耳の再接着を成功させた学生もいます.これは,臨床医としてもかなり高い技術レベルに相当します.

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